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濃飛新報

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2018年 立川市議会議員選挙 分析

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2018年 立川市議会議員選挙 分析

「梅雨空や ウヨウヨ飛びし 米軍機 砂川戦士 今何思ふ」

 東京都立川市といえば、戦後の日米関係と憲法の闇、1957年7月8日に起こった「砂川事件」の舞台となった砂川町のある場所である。

 1977年に米国空軍から返還された旧立川飛行場は、その後、昭和記念公園、陸上自衛隊の立川飛行場、陸上自衛隊の立川駐屯地となった。

 立川飛行場には、陸上自衛隊だけでなく、東京消防庁航空隊、警視庁航空隊もおり、よく、ヘリコプターが上空を飛んでいる。

 また、立川市内の路上には自衛隊ナンバーのセダン車が見られる。

 さらに、現在も在日米軍横田基地の一部が立川市内にあり、上空を米軍機が飛んでいる。


 政治面では、リチャード・アーミテージ氏(元国務副長官)、マイケル・グリーン氏(元NSC日本・韓国部長)、カート・キャンベル氏(元国務次官補)といった「ジャパン・ハンドラーズ」と関係がある長島昭久氏と、自由民主党(清和会)所属の小田原潔氏を衆議院議員として選出した東京21区の一部である。


2017年 衆院選 立川市(当日有権者数: 151,902 投票者数: 78,487)



 そんな、宗主国と植民地の暴力装置と対米従属の政治家を結集させたような戦後の日本史を象徴する街、立川市で2018年6月17日(日)に市議会議員選挙の投開票が行われた。


2018年 立川市議会議員選挙(当日有権者数: 148,733 投票者数: 64,761)


2014年 立川市議会議員選挙(当日有権者数: 142,166 投票者数: 59,237)


 今回の選挙では、ポリティカル・コンパスの第3象限(参加主義・再配分主義)勢力は票を伸ばしたが、第1象限(権威主義・市場主義)勢力の票の方が伸びが大きかった。

 また、第2象限(参加主義・市場主義)勢力は当選者はいなかったものの票を伸ばし、第4象限(権威主義・再配分主義)勢力は票を大きく減らした。




x軸: 参加主義(市民社会) ←→ 権威主義(国家)
y軸: 再配分主義 ←→ 市場主義

 上図の第1象限(右上部分)は「米国的伝統」、第2象限(左上部分)は「Eガバメント」、第3象限(左下部分)は「欧州的伝統」、第4象限(右下部分)は「日本的保守」である。



2018年 立川市議会議員選挙 党派別得票数



2014年 立川市議会議員選挙 党派別得票数



2014年~2018年 立川市議会議員選挙 党派別得票数 増減



 前回の票数との比較から、今回の選挙の勝者は自由民主党、公明党、日本維新の会、NHKから国民を守る党、幸福実現党、第2象限(参加主義・市場主義)勢力、立憲民主党であり、敗者は長島昭久勢力(国民民主党、未来日本)、日本共産党、社会民主党、生活者ネットワーク、緑の党グリーンズジャパン、田母神道場勢力であることが分かった。


 立憲民主党が自民党や公明党からではなく、旧民主党系と第3象限の勢力から票を吸い取ってしまう「立憲ブラックホール現象」が起きたと考えられる。

 「立憲ブラックホール現象」は、立川市以外の地方自治体でも起こり得る現象である。


 統一地方選挙までに、立憲民主党以外の野党、無所属市民派を応援している有権者は、いかに今まで投票に行かなかった層を取り込むか、いかに資産家でも経営者でも投資家でもないのに第1象限(権威主義・市場主義)勢力を支持している層(通称: 肉屋を支持する豚)を引き剥がすかを考え、速やかに策を講じるのが良いだろう。


 立川市に限らず、日本国全体では、第1象限(権威主義・市場主義)勢力の議員が最も多く、第2象限(参加主義・市場主義)勢力の議員が第1象限勢力の議員の5割弱程度、第3象限(参加主義・再配分主義)勢力、第4象限(権威主義・再配分主義)勢力の議員がほとんどいないという状況であるが、本来、4つの象限に同程度の人数の議員がいる方がバランスが取れて良い。

 第2象限(参加主義・市場主義)勢力の議員がほとんどいないことにより、特別会計や天下り団体の廃止ができず、行政官僚の財源・権限の肥大化、官民格差の拡大、社会保障の世代間格差の拡大を抑制・是正することができず、第4象限(権威主義・再配分主義)勢力の議員がいなくなってしまったことで、郷土、伝統、共同体、国民国家を守ることができなくなっている。


 立川市では、当選には至らなかったが、「地域通貨」等のラディカル(急進的)な政策を掲げた、依田光平候補(27歳)が701票を得票するなど、第2象限(参加主義・市場主義)への期待が見られた。

 一方、田母神道場1期生の乙幡直樹候補(37歳)は前回選挙よりも618票減らし、第4象限(権威主義・再配分主義)勢力の右派への人気に陰りが見えた。

 今後は、第2象限(参加主義・市場主義)が躍進し、第4象限(権威主義・再配分主義)勢力の右派が凋落する兆しかもしれない。


 加計学園、森友学園、公文書改竄の問題で炎上しても、自公の組織票は全く崩れていない。

 このままの状況で統一地方選挙に突っ込めば、立憲民主党以外の野党勢力と無所属市民派勢力は負ける可能性が高い。

 さらに、立憲民主党の立候補者は、自公と共に与党の一角を占めていた民進党の地方自治体議会議員が入党することにより、品質が悪化することが見込まれる。

 それは、市民を舐めた政治が統一地方選挙後にも継続されるということを意味する。
 野党勢力や無所属市民派勢力の支持者は、世論の風向きに頼ることなく、統一地方選挙前に、市民が何を望んでいるかを丁寧に聞き、地道に票を積み増していく努力が必要である。
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 無党派の筆者による, 無党派の岐阜県民・岐阜市民のための地方自治分析.
 県民・市民ひとりひとりが行政を監視できるよう, 情報源を整理.
 利子・負債を生まない自由貨幣型の地域通貨, 県営の地熱発電所, 農業公共事業に夢を見る.

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